術後3週目

9月8日水曜日（入院18日目）　　装具が簡素なものになって2日目。曲げようと自分でも努力はしてみたし、力をいれる練習もしてみた。しかし、足は上がらない。リハビリでは今日も曲げ曲げ。結局激痛で昨日よりスコアダウン。がっかりした。リハビリ師さんはもっとがっかりしていた。申し訳ないのと曲がらなくて残念なのとでダブルパンチを食らった。リハビリ室からの帰り、膝に力が入らなくってこけそうになった。
　熱は朝のうちはおさまっていて37度切る値をだしていたが、夕方寝る前の検温では37.5度まで上昇。動いたせいかなと思う。ちなみに僕の平熱は36℃ちょいだが、術後は37℃±0.2℃の範囲で推移していた。傷のせいだろうと思う。しかしそんなにだるいということはなかった。PLを服用して眠りに就いた。傷は痛むのでやはり氷で冷やして様子をみる。

9月9日木曜日（入院19日目）　　リハビリルームではこの日も曲げたり、力を入れてりきむ練習。正直しんどくて行きたくなかった。仕方なく行くという感じだった。悲鳴を上げつつ曲げ曲げ～～65度！！二日で5度前進。あまりにも遅くて先が思いやられた。覚悟をだんだんと決め始めた。

　部屋に帰ってからは同室の人と談笑したりした。その合間に病棟内をうろうろ歩きまわって時間をつぶした。リハビリにはちょうどよい運動になった。ときどき足の筋トレのようなこともしていた。ペースを決めてやろうと、食前と食後を目安に始めた。自分の体、自分で頑張るしかないのだ。

9月10日金曜日（入院20日目）　　朝目が覚める。皆さんは伸びをするだろう。うう～ん、てな具合に。僕も同じことをこの日やった。アッ、とひらめいた。足に力を入れて伸ばす感覚、まさにこれジャマイカ！！さっそく繰り返しやってみる。今までの練習では納得がいかなかった、というか効果あるんだろうかと疑わしく思えた。これならという納得をもってできた。　結局足は上がらなかったが軽くなってきたような気がした。いつの日か上がるだろうと、この日は希望を持つことができた。そして、その希望は膝曲げでも消えなかった。左７０度、右６０度ちょい、進歩進歩。気分は愉快であった。


9月11日土曜日（入院21日目）　　膝曲げ練習に機械を投入。CPMという機械だ。まずは60度くらいで始めた。1日5度ずつ曲げる予定。意外と楽であった。余計な力が膝に入らないから痛みが少ないらしい。この機会としばらくお付き合いだ。ときどき自分でも廊下で（病室だとギャーギャーうるさいから）膝曲げ練習した。加速度的に良くなってきている。
　膝が崩れる感じがやはり抜けない。崩れるというのは、階段を降りるとき、上の段に残っている足を思い出してほしい。かなりの力がかかっているのがわかると思う。そのかかっている力がでなかったらどうなるか？出なかったときの感じが崩れるによく似ている。


9月12日日曜日（入院22日目）　　朝、差し入れしてもらった梨を看護師さんに頼んでむいてもらった。甘えすぎのような気もした。みずみずしくておいしい。フルーツは差し入れにはぴったりだ。部屋でもCPMをいじる。65度。片足30分を一日3セット、それを両足だから一日3時間はこの機械に費やさねばならない。よくなるため、我慢。部屋のベッドでできるので快適であった。余談だが同じ部屋のおっちゃんが競馬で負けていた。入院費を稼ぐつもりだったらしい。
　看護師さんには気さくな人が多くて話をいろいろとしてくれたり、本当に良くしてもらった。僕は多少おつまみにされましたが。みんなが看護師さんの与太話に突っ込みを入れたりしていたら、僕のいた部屋は患者同士仲良しになっていた。部屋が仲良しなのは心の支えになった。部屋の人たちも気さくな人が多かった。


9月13日月曜日（入院23日目）　膝の傷の痛みはだいぶ退いてきた。力も入るようになってきた。これなら足が上がるかもと、期待に胸が膨らんだ。リハビリ室へ。上げる努力を全力でする。左足、上がらない。右足、上がった！！ついに。左足も、もう一回、上がった！！一度上げると、ホイホイと上がる。気分は高揚した。また山にいけるかも！！膝曲げもうまくいって、80度くらいまで曲がった。
　この日はルンルン気分であった。翌日は主治医の先生の回診。どんな発言が飛び出すか楽しみであった。看護師さんに、先生にはよくなったことをアピールしてねと言われた。